以前、2019年発秋の長崎旅行で、雲仙温泉「福田屋」に宿泊したときのことを記事にしました。
福田屋さんの多彩な浴槽と美味しい食事を楽しんだ次の日は、路線バスの「島鉄バス」で島原半島を一人で巡ってきました。島原の城下町、世界遺産となった南島原市の原城跡を観てきたのですが、今回はそのときのことを書いてみたいと思います。
- 「島原半島周遊パス1day」を入手
- レンタサイクルで城下町島原をめぐる
- 島原城
- 女ひとり、揚げたて唐揚げを食べる
- 名物「かんざらし」をいただく
- 湧水庭園 四明荘へ
- 島原カトリック教会へ
- 南島原市へ向かう
- 有馬キリシタン遺産記念館へ
- 世界遺産 原城跡
- ガイドのお母さんが口之津まで送ってくれた
- 口之津から小浜温泉へ
- おまけ「 島原半島周遊パス1day」は活用できたか
「島原半島周遊パス1day」を入手
あらかじめ「島原半島周遊パス1day」を購入しておきました。島原鉄道が運行する、電車、バス、フェリーが1日乗り放題になるパスポートです。
購入は、前日に雲仙地獄を散策した際、島鉄バスの雲仙営業所で。ただしこのパスはかなりお得になるチケットだから払い戻しができないそうです。
▼西入口 9:07発 島原駅行きに乗車
宿をチェックアウトすると、目の前のバス停「西入口」から島原駅行きのバスに乗車します。
こちらのバスですが、雲仙の山をある程度下ると、1990年~の雲仙普賢岳噴火の際、被害のあったエリアに入っていきます。
「この国道あたりまで火砕流が押し寄せた」という車内アナウンスが流れていました。車窓に姿を表した平成新山の、その明らかに他の山と異なる山容は、山肌に生命を感じないような、そんな怖さがありました。
▼島原駅 午前9:55着
さて、バスは島原港を経由し、島原駅前に到着しました。
駅のコインロッカーに大きな荷物を入れ、駅員さんに声をかけレンタサイクルを借ります。同じく駅内にある観光案内所で観光マップを入手、いざ出発です。
レンタサイクルで城下町島原をめぐる
さっそくまちを探索しましょう。こちらは「青い利理髪店モモ」。
有名な喫茶店ですが、今回は外観だけ撮影しただけです。。
武家屋敷へ
島原城築城の際に建設された武士たちの住まいです。街路の中央の水路には湧水が涼しげに流れています。
生活用水として、大切にされてきたそうです。
生活に密着しているだけあり、モップを洗っている方もいたので、飲むのはやめときましょうか笑。
レンタサイクルは電動アシストで楽々でした。
島原城
島原城へ着きました。
1618年松倉重政が築いた城で、明治維新で廃城になったものの、昭和39年に天守閣を復元し、かつての面影を取り戻しつつあると書かれています。見学の大人料金は540円。
城内はキリシタン資料館にもなっており、島原の乱にまつわる史料などが展示されていました。
噴火に関する資料も展示してあり、噴火の際、消防団員の家族を亡くした方が書いた手紙には、他のお客さんも見入っていました。
また、天守閣は展望台となっていて眺めがすばらしいです。
海の向こうに熊本の山々が。
背後に少し顔を出している山が平成新山ですね。
土曜だったので、女性武将たちのショーも行われていましたよ。今日は時間が厳しいので、オープニングだけしか見れませんでした。
島原城の自分的ベストショットはこちら。
お城の南東にある八尾病院さんの前から撮りました。
さて、さらに移動します。
女ひとり、揚げたて唐揚げを食べる
「鯉の泳ぐまち観光交流センター清流亭」に到着。観光案内やお土産の販売をしています。湧水を利用した池には鯉が悠遊と。
こちらのセンターに自転車を置かせてもらいます。
センターの向かいにある、地元で有名な唐揚げやさん「鶏の白石島原店」でお昼ご飯を購入したいと思います。
正午にはなっていなかったものの、人気のお弁当はすでに売り切れていたので、唐揚げのみを買ってきました。
センターの外のベンチでかぶりつきました笑。揚げたてジューシーで美味しかったな~。
いや本当は、「具雑煮」なる島原のご当地料理があるのは知っていたんですけど。。肉が好きなので・笑
名物「かんざらし」をいただく
センターに自転車はそのまま停めさせていただき、歩いてすぐの「水都 島原かんざらし喫茶」というギャラリー併設の小さなお店に入ってみます。島原名物のかんざらしとアイスコーヒーをいただきました。セットで500円。
9月も終わるというのに、かなり暑い日だったので、冷たく、つるんとした喉ごしがたまらなかったです♪
ちなみにこちらのお店の奥には触ると幸運が舞い込んでくるという「開運のしゃちほこ」さんがいます。もちろん!触らせていただきました。
お店の外ではラムネが冷やされていました。
付近の路地は、鯉の泳ぐまちの名の通り、鯉たちが澄んだ湧水の中で暮らしています。
湧水庭園 四明荘へ
湧水庭園 四明荘は、明治後期に開業医の伊東元三氏の別邸として建てられた庭園で、今は鯉の泳ぐまちの観光スポットとして公開されています。庭内の大小3つの池には1日3000トンの水が湧きだしているそうです。
こちらの全景写真は島原市ホームページから借りました。
素敵なお姉さんが冷茶を出してくださり、庭園の説明をしてくれます。ポストカードもくれました。
嬉しかったのは、さまざまなアングルから自分を入れて写真を撮ってくださったことです!たまたま混雑していなかったからかもしれませんが。。旅先だとなかなか自分が写った写真は撮れないのでありがたかった・・♪
優雅な庭園でひととき涼しくなれました。
島原市内には70を超える湧水地があり、国交省の「水の郷100選」にも選出されているそうです。
生活のなかに湧き水があるのって、もちろん苦労もあるとは思いますが、暮らしに風情と潤いがあって素敵だなぁと感じます。
島原カトリック教会へ
四明荘のお姉さんから、殉教のステンドグラスがあると教えられ、伺ってみました。島原半島で殉教した多くの信者のために1997年に建てられた教会です。さすがに勝手になかに入る勇気はなかったので、外観だけ撮影させてもらいました(汗)
ステンドグラスはこんな感じだそうです。島原市ホームページから写真を借りました。
余談ですが、長崎の教会を訪れるとき、個人だと拝観については難易度が高いなぁと感じます。2018年に訪問した、蝶の羽のステンドグラスが有名な生月島の山田教会も中に入れず玉砕しましたし、平戸の田平教会も事前申し込みをしたものの、入れなかったりなど。。長崎は滅多に来れるところではないのでショックも大きい・・笑。ツアーだとそんなことはないんですけどね。
教会の裏の通りは古い街並みが残っていました。
今回は行程上立ち寄りできなかったのですが、島原には島原温泉もあります。2017年の「温泉総選挙」では歴史・文化部門で全国1位になったそうですよ。泉質は炭酸水素塩泉、飲泉所などもあります。源泉かけ流しとのことで気になるお宿をのっけておきます。後から分かったんですけど、希少な炭酸泉ではないですか・・。
100%源泉かけ流し
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源泉かけ流し(加水・加温ありとのこと)
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さて、レンタサイクルを島原駅で返却しました。利用時間は2時間以内でしたので、600円でした。さらにここから路線バスで島原半島東側を南下していきます。
南島原市へ向かう
▼島原駅13:10発 加津佐海水浴場前行きに乗車
バスは途中長崎県立島原温泉病院を経由しました。雲仙普賢岳噴火の際には、最前線で治療にあたった病院の模様。
当時、火山活動が活性化しつつあるなかで、病院では200年前の島原大変の再来を予測。事前に災害対応策と心の準備し、大災害がいざ発生するとトリアージと搬送とをスムーズに実行した、らしいです(ネットの情報ですけど)
車窓にはなお平成新山が見えていました。今回の旅で、この山容はとても印象的な光景でした。
1時間ほどバスに揺られ、原城まではもうすぐ。たまたまグーグルマップを立ち上げていて、運よく気が付いたのですが、車窓右手に日野江城跡が!あわてて撮影。国指定史跡、戦国時代のキリシタン大名だった有馬晴信の居城跡です。
北有馬の地区に入ったら、進行方向右側に注目してくださいね。
▼原城前 14:13着
さて、「原城前」のバス停で下車しました。
ここからは「有馬キリシタン遺産博物館」と世界遺産「長崎と天草移封の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産である「原城跡」を見学したいと思います。
まずは「原城前」のバス停から徒歩で、「原城温泉真砂」まで行きます。
途中には「仕寄場」(幕府軍が攻め入るために最前線に築いた陣地)や、
「三ノ丸跡」(一揆の際農民3500人が守りを固めたと記録される)など
史跡ムードが高まります。人の姿がほとんどなく、カラスが間近に現れたり・・ドキドキ。ところどころ、交通誘導のおじいちゃんが、話しかけてくれるのにホッとしつつ、「原城温泉 真砂」に到着。行程の都合上、入浴の時間はありませんが、宿泊・日帰り入浴もできる施設です。
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受付で、電動アシスト自転車を借りましょう。ありがたいことに利用料は無料!受付で大きい荷物はで預かってもらうこともできます。
有馬キリシタン遺産記念館へ
さて「有馬キリシタン遺産記念館」へ向かいます。公共交通機関で記念館に行きたい場合、健脚な方は、バス停「原城前」から、歩けなくはないと思いますが、記念館は高台というか丘陵を越える必要があるので、電動アシスト自転車を借りてから向かう方が楽だと思います。
私はマップ表示青の水玉(上側)のルートを使ったのですが、けっこうな長い坂道でした。電動アシストじゃなかったら心が折れてた・・笑
なんとか到着しました。
有馬キリシタン遺産記念館は、原城跡を中心とした南島原のキリシタン史を紹介している施設です。大人300円。スタッフのおじさんと、天草四郎=豊臣家説にまつわる歴史ミステリーの話ができてめちゃくちゃ楽しかった!天草四郎はその正体も最期も謎のベールに包まれすぎてて興味が尽きません。。記念に写真を撮ってもらうなど、親切にしてもらいました。混んでなかったからかもしれないですが。
事前に史跡の概要を知ったら、いよいよ原城跡へ。
世界遺産 原城跡
原城は1638年島原・天草一揆で農民側の籠城の拠点となった城です。幕府軍は執拗なほど一揆軍を皆殺し、徹底的に城を破壊しています。キリシタンの「復活」を恐れたためとか、天草四郎が豊臣家だった場合、根絶やしにするためとか、いろいろな歴史ミステリーの舞台でもあります。
多くの人が壮絶な最期を迎えた場所ですので、明るいうちに訪れたい場所かなぁとは思います(苦笑)
観光ガイドさんが常駐してるプレハブ横に自転車をとめ、城跡の地図をもらって、散策してみましょう。
ホネカミ地蔵は、戦でなくなった人々を敵味方関係なく慰霊しているお地蔵様です。
本丸門跡は「本丸の正門」と考えられています。調査では瓦・陶磁器・人骨が大量に出土した場所です。
本丸跡です。一揆の際は、天草四郎など指導者層が立てこもった場所。戦の後は再び籠城の拠点とならないように、徹底的に破壊され、地中に埋め尽くされたと書いてあります。ここからも多くの傷ついた人骨や信心具が出土したとも。
総大将の天草四郎はこの本丸で斬首となってしまったのですね。
近くには天草四郎のお墓があります。
おや、雨の塊が背後から近づいてくる気配です。
お墓の後ろあたりだったと思いますが、小さなお地蔵様が海を見つめています。実は原城を訪れたのはこの写真を撮りたかったというのがあります。
なんとも悲し気な背中ですが、不思議とやさしさも感じます。
風が木の葉を揺らす音がし始め、雨が落ちてきたと思ったら、結構な降り方に。
駆け足で自転車まで戻ると、原城跡のガイドさんたちが声をかけてくれ、プレハブの中で雨宿りさせてくれました。
歴史好きなお父さんたちと、笑顔のかわいいお母さん。皆さんお元気で明るい!
ガイドのお母さんが口之津まで送ってくれた
これからバスで口之津の方に向かうと、お礼を言って帰ろうとしたら、そのお母さんが、「口之津方面だったら、車で送ってあげる!原城温泉に自転車を返したら、中で待ってて!」と言ってくださり、お言葉に甘えさせていただくことにしました。雨で大きなリュックも背負ってたので、本当に本当に助かりました。
車の中で、毎年キリシタン史跡を訪れていると話すと、禁教令時代の伊東マンショのお話や、雲仙の街がすっかり静かになっちゃったという話、農家さんと都会の学生の交流が生まれている話などを教えてくれました。ご親切に本当にありがとうございました。
口之津から小浜温泉へ
▼17:10 口之津発 小浜行のバスに乗車
親切なお母さんが送ってくれ、口之津までやって来ました。
対岸は天草の鬼池ですね。2015年に天草を旅行した際も、崎津集落の方が車で案内してくれたり、親切にしてくれたっけ。。島原・天草の皆さん本当に優しいなぁ・・。
南島原の地区は電車がないため、移動手段の主役は路線バスなのです。
小浜行の路線は海側が風光明媚です。進行方向左の座席が正解(右側に座ってしまった・笑)
途中、車窓からは観光名所だという「両子岩」(ふたごいわ)が見えました。
▼17:50 小浜温泉ターミナルに到着
終点の小浜温泉ターミナルに到着しました。今日の宿はバス停から徒歩すぐの「浜観ホテル」です。このとき宿泊記は別の記事にしてありますので、よかったらご覧ください。
今日1日、島鉄バスで雲仙~島原~南島原~小浜とぐるっと半島を半周し、主要なスポットを観ることができました。優しい地元の方のご厚意にも甘えさせていただきました。南島原市は原城跡は平成30年7月に世界遺産になったものの、まだどこか、観光地化されすぎていない素朴さの残るエリアでほのぼのとした感じがしました。
今度は久々に天草と一緒に巡るのもいいなと思います。
前日は長崎県営バスで小浜を経由し、雲仙に向かったので、半島の南半分を1周してきたことになります。浜観ホテルに泊まった次の日は共同浴場に行ったり、小浜ちゃんぽんをいただいたりしたので、またそのことは別の記事にしたいと思います。
おまけ「 島原半島周遊パス1day」は活用できたか
2000円で購入した1日パスはお得だったでしょうか?
①西入口~島原駅前 850円(ぐらい)
②島原駅前~原城前 960円
③口之津~小浜 880円
合計で2690円(ぐらい)なので、700円ほどお得でした!
夕暮れの小浜温泉 メイン通りです。